2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

強風にあおられ白き一片は ますぐに天へ昇りゆくなり 教会に向かう窓より夕暮れに 十字架の西辺光るを眺むる

「時がいる!手足放って寝るまでは」 どんぐりまなこでわが猫(こ)言いたり

待ちかねて開花宣言出し朝は 「出たね」「やっとね」で通じる挨拶

責められしとげ既に我の中にあり 膿みて太りて横たわりたる 自信など一瞬のうちになくすもの ビジネスメールが我をはげます 知らん顔して通り過ぎる黄ライフ 下取りに出しし子かと見送る

転居の夜 野に近く住みし一年が 我に息継ぎ(ブレス)を教えしと知る 差し入れし手に身体中こすりつけ 不安示せる引越の猫

沢に立つミズバショウ見し 帰宅して 負けじと白き猫すっくと立つ

大声で我を呼びたる猫ありて 発信源が戻るべき場所 職業で笑顔の量のこの差かな 「東 営業 × 西 管理人」 何ゆえか罪悪感あり 平日の午後デパートを泳げぬ鰯 デパートの喫茶室にてぽってりと開く花々 我はスタバへ 産めずして育てず過ぎぬ十年は 我を太らせ…

温泉で 身体ひねりて洗いしは 舐めて治しぬ獣(けもの)の姿勢(かたち) 疲れいて 布団の中から手を伸べて 握手求むる夫の掌(てのひら)

雪に耐えいのち保ちて春の夜に 矢になり渡る白い若猫 前籠にゆでたまご10コ 立ちこぎで疾く教会へ復活前日 アンデレになりし笑顔の青年は 軽く会釈し「お先に」と言い 片時も膝を離れぬ我が猫は パンを食べればパンくずだらけ 髪乾かせば毛だらけになる

買い置きしドライフードを出す折に 愛猫の眼がきらり☆光りぬ 画教室 和を尊びぬ老講師は リタイアの後、画家となり来ぬ 微笑みて「ゆっくりでいい」と幾度目(いくたびめ) エスカレーターに立ち向かう母娘(ぼし)

もう用は済んだとしっぽピンと立て 梅ばち見せて去る深夜風呂

色求め 走れ!東北新幹線 こげ茶 黄色に 白はピンクに 新宿のエスカレーター昇り来る 無表情なる幾万の顔 倒れたる人を囲みて肩さすり 服かけ側を去らぬ人々 「ありがとう」関西訛りで言う我を バス運転手 目を上げず見ゆ 受難週 我が筆跡に罪を見し うなだ…